これは、先に連合自治会ブログで紹介された「新しい介護予防・日常生活支援総合事業について」の記事に沿って要約したものをシリーズでお伝えしているものです。

高齢者福祉に関する地域の動き

滋賀県にある自治会では、自治会内に福祉部門を設立し、高齢者に近況確認を行う「ふれあいホットライン」や24時間体制の「町内お手伝いボランティア」などの福祉活動に力を入れています。

 この自治会がカバーする地域には、2007年時点で、約300世帯、約750名が住んでいますが、そのうち70歳以上が154名であり、高齢者世帯が多い所です。

 この地域では、阪神・淡路大震災を契機に、身近に天災が起きたとき、この町は大丈夫なのだろうか、地域の人を助け出すことができるだろうかとの問題意識が芽生えました。そこで、自治会長や福祉委員、民生委員のリーダーシップの下で、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けるためには、自治会でどのようなことをすれば良いかと地域で協議し実現したのが、この福祉部門です。

 「ふれあいホットライン」とは、70歳以上の希望する人を対象に、毎週水曜日の午前中、自治会から近況を確認するもので、約30名の利用があります。この活動を通じて、一人暮らしや夫婦だけで暮らしている高齢者の孤立を防いでいます。

 また、「町内お手伝いボランティア」とは、登録ボランティアが交代で自治会の専用電話を用いて手伝いの申し込みを受け付け、ボランティアに駆けつけるもので、いずれも24時間体制で行っています。この登録ボランティアは、自治会の住民が基本となっており、日常生活において必要なものの中から対応できることをあらかじめ登録しておき、買い物や大型ゴミの搬出など依頼に応じてボランティアにでかける流れになっています。

 このほか、子ども会と連携して、月1回の廃品回収の時に、外出が難しい高齢者宅に子どもが立ち寄り、廃品回収を行うことで、子どもと会話する機会を設けたり、偶数月には自治会内の70歳以上の高齢者のための誕生会を開いて「手作りの昼食」でもてなしたりして、活動が少なくなりがちな高齢者に地域のつながりを通じたコミュニケーションの機会を設けています。

感想

 日本の原風景をみる助け合いですね。私たちの子どもの頃は、味噌や醤油を隣近所で貸し借りする普通の生活であったのが、いつの間にか希薄化してしまって得られたものと、失ったものが胸に突き刺さります。

 少しでもこのような地域になるよう、皆さんと考えたいと思います。

八郷西自治会協議会長 久保田領一郎