地域の絆・助け合いの大切さをお伝えしているシリーズ21回目です。

イギリスの女性旅行家イザベラ・バードが伊勢の旅をしたときの話です。

時代は遡りますが、見事な地域力を学ぶことが出来ます。

「自分たちが彼の分まで頑張るから」
  明治11(1878)年に、東北地方から北海道、その後関西地方を日本人通訳一人を連れて旅したイギリスの女性旅行家イザベラ・バードは、奈良県の三輪で、3人の車夫から自分たちを伊勢の旅に雇って欲しいと頼まれた。

 推薦状も持っていないし、人柄もわからないので断ると、一番年長の男が「私たちもお伊勢参りがしたいのです」と訴えた。この言葉にほだされて、体の弱そうな一人をのぞいて雇おうと言うと、この男は家族が多い上に貧乏だ、自分たちが彼の分まで頑張るからと懇請されて、とうとう3人とも雇うことになった。

「人力車夫が私に対してもおたがいに対しても、親切で礼儀正しいのは、私にとっても不断のよろこびの泉だった」と彼女は書きとどめている。

 町中でも思いやりと助け合いが弱者を護っていたのである。これなら物質的には貧しくとも、欧米のスラムにあるような孤独、絶望という不幸とは無縁で暮らせただろう。

(国際派日本人養成講座資料より抜粋)

 

感想

 当時の日本人は、貧しくとも親切で礼儀正しい人々であったのです。
その上地域の絆により暮らしを支え合っていたのですね。

八郷西自治会協議会長 久保田領一郎